海やプールで倒れている人を発見したら…?

海やプールで人が倒れてしまった!
そうだ!確かAEDを使うんだっけ?
でも・・・
使ってもいいの?

「はい!大丈夫です!」

◇AEDは海やプールでも使える!

水にぬれているプールサイドでAEDを使用したら、周りの人にも電気が流れてしまうのではないか・・・と心配になる方もいると思います。
でも大丈夫。AEDで電気が流れるのは2枚のパッドの間だけです。だから海やプールの場面でもAEDを使うことができます。
ただし、倒れている人の水分は十分にふき取って下さい。パットを取り付けない背面などまでは丁寧にやる必要はないです。

また、倒れた人が未就学時の場合、小児用パッド(モード)があればそちらを使います。乳児に対してもAEDの有効性は示されています。小児用パッド(モード)は、電気ショックのエネルギーが足りず除細動の成功率が低くなる可能性があるので、成人に対して使ってはいけません。
小学生以上は成人と同じ扱いとするため、成人用パット(モード)を使います。この時、パット同士が触れ合わないように注意してください。

 ◇もし、倒れている人を発見したら…

日常生活の中でも、急に人が倒れてしまうことがあります。そんな光景に遭遇した時、AEDをどう使用していくのかについて簡単にご紹介します。
是非この手技を身につけていただき、もしもの時に備えてください。

① 周囲の安全を確認しましょう

② 反応(何らかの応答や目的のあるしぐさ)があるか確認するため、肩を軽くたたきながら大声で呼びかけます。

③ 反応がなければ・・・
近くの人に119番通報とAEDの手配を依頼してください。

④ 胸と腹部を観察(5~10秒)し、呼吸を確認します。動いていなければ胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始します。
※しゃくり上げるような途切れ途切れの呼吸は正常な呼吸ではありません。
※呼吸の確認に10秒以上迷ったら、呼吸なしと判断します。

胸骨圧迫のポイント

  • 圧迫の位置は胸の真ん中(左右の真ん中、かつ、上下の真ん中)
  • 1分間に少なくとも100回の速さで圧迫
  • 深さは5cm沈み込むように
  • 強く速く絶え間なく
  • 手を圧迫部位から離さず、圧迫と圧迫の間は胸が元の高さに戻るように圧迫を解除

⑤ AEDを使用します。電源を入れると自動的に手順をアナウンスしてくれます。
※④と⑤は救急車が到着するまでの間、普段通りの呼吸や目的のあるしぐさが見られるまで繰り返します。

◇その命、救うのはあなたの勇気

AEDは痙攣状態にある心臓を機械が自動的に判断し、痙攣を止める除細動の手順を音声により教えてくれる機械です。2004年から市民が行う心肺蘇生法にAEDの使用が加えられ、資格がなくても救急車が到着するまでの間、救急救命の措置として使うことができます。
病院や空港、駅、学校やスポーツ施設などを中心に設置されています。

心停止から3分間放置されるだけで死亡率は50%に跳ね上がります。しかし、胸骨圧迫をすると救命率は2倍になり、胸骨圧迫をしてかつAEDも使用すると救命率は4倍にもなります。
119番通報をして救急車が来るまでの時間はおおよそ7~8分です。したがって救急車が現場に駆けつけている間、胸骨圧迫とAEDの使用を現場に居合わせた市民が行うことが、高確率な救命に繋がります。
迷ったり判断に困ったら「何もしない」ではなく、勇気を出して「胸骨圧迫を開始し、AEDを使用する」ことを心がけましょう。

参考文献
東京消防庁,安全・安心情報 救急アドバイス
日本救急医学会,市民のための心肺蘇生
・警察庁交通局,運転者による応急救護処置,全日本指定自動車教習所協会連合会,東京,2012,p20-23,p30
日本赤十字社,AED(自動体外式除細動器)を用いた除細動

スヌーピー大好き、薬学生。中学・高校と水泳部に所属。母校の学校薬剤師に憧れ、薬学部へ進学することを決める。大学進学後、アンチ・ドーピングを主な目的とし、薬に関する教育・指導に取り組む薬剤師である、スポーツファーマシストを志す。最近、献血キャラクター「ちっちちゃん」への愛が止まらない。